電動式シザーリフト(リフター) トラブルシューティング
電動式シザーリフトの不具合対応について
故障と思われる現象が発生した場合は直ちにシザーリフトの使用をやめてください。本トラブルシューティングを参考にお客様でシザーリフトの不具合原因を確認される場合は、危険が伴いますので、必ずシザーリフト本体に装着している 「メンテナンスバー」 をセットしてから、実施してください。「メンテナンスバー」 は万一のテーブルの落下を防止するストッパーです。メンテナンスバーのセッティング方法は取扱説明書に記載されており、このホームページでもご覧いただけます。また、不具合原因の確認は、機械および電気の専門知識がある方が実施していただくようお願い申し上げます。
シザーリフト修理及び部品交換のお問い合わせにつきまして、お問い合わせ時にシザーリフト型式と製品番号を記載いただけますようお願いします。型式と製造番号からシザーリフトの機種及び製品データを調べ部品情報やシザーリフトの仕様を調べることが可能です。型式と製品番号の記載箇所につきましては“型式、機番の記載箇所”を参照にご確認お願い致します。
シールが剥がれている場合は、弊社の図面または取扱説明書(保証書)に書かれている番号をお知らせください。
下降端にて上昇しない
モーターが逆相運転し、上昇ではなく下降の方向にボールネジが回転している可能性があります。 ボールネジ噛み込防止のため、直ちに運転を止め、電源の結線(R,S,Tのうち2本) を入替えてください。 ボールネジがエンドで噛み込んでしまった場合、動かなくなることがあります。 この場合は弊社までお問合せください
上昇しない(下降しない)
8つの原因が考えられます。順に確認してください。
①規定電圧が確保できていない可能性があります。電源の確認をしてください。
これが原因であれば電源の修理をお願いします。
②電源が落ちていませんか。ブレーカーが落ちている場合、原因を除去しブレーカーを復帰させてください。
③操作スイッチが破損またはケーブルが断線していないか、確認してください。
これが原因であれば操作スイッチまたは、ケーブルを交換してください。
※部品の購入についてはお問合せください。
④リミットスイッチまたは制御回路が破損しているため、ボールネジがエンドで噛み込んでいる可能性があります。ボールネジがエンドで噛み込んだ場合、駆動部の交換が必要です。また、リミットスイッチや制御回路についても修理する必要があります。
⑤電磁開閉器(マグネットスイッチ)が故障している可能性がありますので確認してください。電磁開閉器を交換する必要があります。
※部品の購入についてはお問合せください。
⑥ブレーキが開放されていないと上昇しません。制御回路の修理または駆動部を交換する必要があります。
⑦過負荷により過電流検出器が作動。過負荷の原因を取り除き、リセットするため電源を一旦切り再度電源を入れて下さい。
⑧本体に異物が噛み込み、上昇・下降しない。異物を除去し、過電流検出器が作動していれば電源を一度きり再度電源を入れて下さい。※必要に応じて、メンテナンスバーを取付け、安全対策をしてから作業を行ってください。
上昇(下降)速度が極端に遅い
①機械本体が破損していないか確認してください。新しい製品と入替えが必要です。
②機械本体が周辺機器または異物と干渉していないか確認してください。障害物を除去してください。
※必要に応じて、メンテナンスバーを取付け、安全対策をしてから作業を行ってください。
③ブレーキが開放されてないと上昇・下降の速度が極端に落ちます。制御回路の修理または駆動部の 交換が必要です。
※改善されない場合は、弊社にお問合せください。
異常音が発生している
3つの原因が考えられます。順に確認してください。
①可動部、回転部のグリースが切れているか十分でないことが考えられます。異常音発生箇所を特定し、グリースを給脂してください。
②グリース不足により、ピン、ブッシュが磨耗している可能性があります。
ピン、ブッシュの交換、または機械本体の交換が必要な場合もあります。
③駆動部または移動ホイールの破損。駆動部または移動ホイールの交換が必要です。
停止後自然下降する
ブレーキのギャップ調整ができていないと自然下降する場合があります。
ブレーキのギャップ調整または、駆動部の交換が必要です。
※ブレーキのギャップ調整につきましては大変危険な作業となりますので弊社にお問合せください。
停止させてもテーブルが止まらない
3つの原因が考えられます。順に確認してください。
①電磁開閉器 (マグネットスイッチ) が故障している可能性がありますので 確認してください。電磁開閉器を交換する必要があります。※部品の購入についてはお問合せください。
②モータに内蔵しているブレーキが磨耗していることが考えられます。
駆動部を交換する必要があります。弊社にお問合せください。
③ブレーキ回路が急制動回路になっていない可能性がありますので確認して下さい。 エンデバー取扱説明書の標準回路図及び34~35頁、エンデバー幅狭タイプ33頁、クリーンシリーズ23頁を参照し、急制動回路で制御してください。
回路を組む時の注意事項
①電磁接触器の接点が溶着すると、シザーリフトが落下する危険があります。 電磁接触器は、モータ容量に見合ったものを使用してください。 また、定期的に接点の状態を点検し接点が荒れているようでしたら交換してください。
〈参考〉エンデバー・クリーンシリーズ
モータ容量 | 推奨電磁接触器 (三菱電機) |
---|---|
0.2kW~0.75kW | S-2×T10SD |
1.5kW | S-2×T20SD |
2.2kW | S-2×T25SD |
〈参考〉エンデバー(200kgタイプ)
モータ容量 | 推奨電磁接触器 (三菱電機) |
---|---|
0.2kW | MSO-2×T10 1.3A |
②ブレーキのマグネット接点が溶着すると、シザーリフトが落下する危険があります。 ブレーキ回路の接点容量は、3.0A以上(DC110Vコイル負荷用)のものを使用し、 推奨のバリスタを取付けて下さい。 また、接点の状態は定期的に点検し、接点が荒れているようでしたら交換して下さい。
〈参考〉
モータ容量 | ブレーキ回路の 接点容量(推奨) |
バリスタ最大許容 回路電圧 |
バリスタ電圧 | バリスタの 定格電力 |
||
---|---|---|---|---|---|---|
0.2kW,0.4kW | DC110V | 0.5A | AC300V | 470V (423~517V) |
0.25W | |
0.75kW | 0.7A | 0.4W | ||||
1.5kW,2.2kW | 1.5A | 0.6W |
推奨バリスタ
モータ容量0.2kW~0.75kWの場合 パナソニック ERZV10D-471
モータ容量1.5kW、2.2kWの場合 パナソニック ERZV14D-471
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注意ブレーキ接点保護用に取付けるバリスタは、必ず上記にある仕様のものを使用してください。CR形のスパークキラーを取付けるとブレーキ用整流器が過熱し、破損します。
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注意ブレーキ回路は必ず急制動回路を使用してください。
エンデバー取扱説明書の標準回路図及び34~35頁、エンデバー幅狭タイプ33頁、クリーンシリーズ23頁を参照し、急制動回路で制御してください。 -
注意上昇端、下降端のリミットスイッチが各々の位置を検出すると同時に
即時運転を停止するようにし、タイマーは使用しないでください。
推奨グリース
エンデバーシリーズには下表の各部位専用のグリースをお使いください。誤って指定外のグリース を使用した場合、性能が低下するばかりでなく、著しく耐久性を損なう恐れがありますので、必ず、各部位に指定のグリースをお使いください。
製品名 | 使用部位 | メーカー名 | 名称・型番 |
---|---|---|---|
エンデバーシリーズ (200kgタイプ) |
ピン・ブッシュ、移動ホイール周辺 | JX日鉱日石エネルギー (旧新日本石油) |
エピノック AP0 |
ボールネジ、チェーン | 昭和シェル | アルバニア EP2 | |
E1-2012CZ E1-2016CZ E1-3008CZ E1-3010CZ E1-3012CZ E1-3016CZ |
ボールネジ、チェーン | リューベ | FS-2 |
クリーンシリーズ | 移動ホイール周辺・ボールネジ | THK | AFFクリーングリース |
チェーン | 昭和シェル | アルバニア EP2 |
※上昇・下降動作5000回毎、または6カ月毎のいずれか短い周期で給脂してください。
インバータで制御するときの注意事項
汎用タイプのインバータではトルク不足のためエンデバーを制御することができません。
『ベクトル制御型のインバータとDB抵抗』を使用してください。
1.インバータの選定に関する注意
(1)推奨インバータ
三菱電機 E800シリーズ (型式:FR-E820-***K)
※エンデバー200kgタイプの100V仕様は要相談
(2)インバータの容量はモータと同じか、もしくは1ランク上までのインバータを選定して下さい。
2ランク以上のインバータの場合は、始動トルク、制動トルク特性が異なりますので注意してください。
(3)積載荷重、シザーリフトのストローク、動作サイクルによって、制動抵抗器(DB抵抗)を選定してください。
(4)モータの複数台運転は行えません。
(5)ブレ―キ電源は、インバータの一次側に接続して下さい。
(6)インバータとモータ間の配線長さは、30m程度までを目安として下さい。詳細は、使用されるインバータの注意事項を参考にして下さい
インジケーターに関する説明
エンデバー及びクリーンシリーズには運転状況を示す赤色と緑色のインジケーターがついています。 正常に作動している場合は緑色のインジケーターが点灯しています。電気系統に何らかの異常が発生した場合、この緑のインジケーターが消え、赤色のインジケーターが点灯、もしくは両方のインジ ケーターが点灯しなくなり、リフトが作動しなくなります。このような場合は、異常原因を取り除き 一旦電源を切り、再度電源を入れて作動状況を確認してください。それでも正常に作動しない場合は弊社までお問合わせください。
型式・機番の記載箇所
製品の故障に関するお問い合わせ
トラブルシューティングにない故障につきましては弊社までお問合せください。
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